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風の国 ニュージーランド

北島オークランドから南島クイーンズタウンを経て

最南端地域ケトリンズまでをMTBで縦断

約2500kmの走行データおよび日記

 

 

 

 

 

INDEX 目次

[INFO] 旅の準備

[1] 第一週

[2] 第二週

[3] 第三週

[4] 第四週

[5] 第五週

[6] 第六週

[7] 第七週

最新更新日:2008年4/1

〈DATA〉

期間 :2007年10月下旬〜12月中旬

MTB :ゲイリーフィッシャーMTB「フクイク」2005年製

携行品:テント ほか縦走登山をベースにした完全装備 燃料 食料 地図および資料 (日本語と英語) GPS、交換部品とメンテナンス用品など 

パッキング方法:サイドバック4個 +フロントバッグ 容量合計約160L

重量 :総重量 50kg前後 詳細は次のとおり

MTB本体+キャリアなどの部品  約15kg、装備 約20kg、食料10kg、飲料水5ℓ 他

参考資料:ロンリープラネット「 ニュージーランド」、地図Kiwimap(英語)2冊、ガイドブックとしてペダラーズパラダイス北島編+南島編(いずれも英語のみ)2冊

ニュージーランド:首都 ウェリントン(北島) 首相ヘレンクラーク女史 国家元首エリザベスU世 人口約400万人 公用語は英語とマオリ語 10〜3月はサマータイムあり 

通貨はニュージーランドドルNZD(2007年12月現在の交換レートは1ドル95〜100円程度)

 

移動ルート:左記地図中の赤い線


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ニュージーランド・イントロダクション

旅行の計画と準備

(金額は1ドル100円で計算しています)

 

 

旅の季節 10〜12月

ニュージーランドの10〜12月は夏ですが、気候は穏やかです。

東海岸では比較的晴れた日が多く、西海岸では雨がよく降ります。北島の北部では時には蒸し暑さも感じられます。

いずれにせよ旅の障害となるような激しい気象に遭遇することはごく稀なことです。

今も昔も南極ブナは風に耐えてきた。南緯45度にて(写真)

ニュージーランドのニュース、気象情報など

http://home.nzcity.co.nz/

ニュージーランド気象庁

http://www.metservice.co.nz/default/index.php

ニュージーランド政府観光局の公式サイト

http://www.newzealand.com/Japan/

 

 

ニュージーランドの気象

ニュージーランドは南半球に属するため、北が温暖で、南が寒冷という気候特徴が見られます。

北島のオークランドより北は非常に温暖で亜熱帯のような気象もみられます。

南島はその中央をほぼ縦に山脈が貫いていますが、この山脈によって西海岸と東海岸では全く異なった気象をなしています。西海岸は多雨で、東海岸は乾燥した過ごしやすい温暖な気候となっています。

最南端地域の一部は亜南極圏強風帯に属します。気温は低く、1年中強い西風が吹き荒れており、海は昔から「吼える45度」と呼ばれ船乗りに恐れられてきました。

 

旅のベストシーズン

ニュージーランドで自転車の旅に適した季節といえばおそらく10〜4月でしょう。 10月には桜が咲き、11月には道端といわず湖畔といわず、全土で花々が咲き乱れます。3月4月になると日本で見られるような紅葉の季節となり、やがて冬を迎えます。 全体を通してみて日本で例えるならば北海道に似た印象がありますが、冬は北海道ほど厳しくはないようです。

 

山岳と海岸線と

ニュージーランドは非常に坂道の多い国です。山岳地形であることは言うまでもありませんが、道路の作り方がとてつもなくシンプルなためです。ニュージーランドの道路は、むやみに山を削り谷を埋めて道を作ったりして いません。例えば、山があれば登り、川があれば谷を下っていき渓谷の底部に最小限の橋があるのみです。自然の地形そのままの状態で 素直に道が作られています。ですから山岳地形でありながらトンネルがほとんどなく、谷に架けられた大規模な橋も滅多に見ることはありません。

また海岸線といえども平らな道があるわけではありません。ニュージーランドでは平坦な道は非常に稀有な存在であるといえます。カンタベリー平野など一部を除いて、どこまで行っても坂坂坂の連続。連日が坂の登り下りに終始する日々。こればっかりは避けようがないようです。

一般に険しいといわれる山岳ですが、自転車旅行者にとっては毎日毎日小刻みな坂の連続に苦しめられるよりはむしろ大きな山を一気に越えるほうが体力的にも精神的にも楽と誰もが 実感することでしょう。2000m級の山岳越えですら特に障害にはなりません。それがかえって楽だと感じるようになるのに大した時間はかからないでしょう。

ニュージーランドは坂道の国。日本では考えられないような傾斜の道路に出くわすことも珍しいことではありません。やむを得ず押して登る以外に方法がない場合もあります。そういうときは無理をせず外見を気にせず、自転車を降りて押して歩くことをおすすめします。

 

水と食料の補給

まず困ることはありません。地方に行っても贅沢さえ言わなければ食料に困ることはありません。辺境といわれる場所でも食料品店が見られパンと缶詰とクッキーはほとんどの場所で入手可能です。飲料水は、水道の水をそのまま飲むことができます。ただし河川の水には注意が必要です。山岳 地帯でも牧場が拓かれています。ほとんどの河川で上流部では羊の糞尿によって汚染されている可能性があるので川の水は煮沸すべきと考えます。

 

現金など

多くの場合、クレジットカードが使えます。スーパーでの買い物も安宿での宿泊代の支払いにもクレジットカードが使えます。しかしながら、一部の辺境地の町ではカード使用に制限が見られます。やはりいちばん使えるのは現金です。銀行のない町 や日本円の両替ができない銀行もあるので、常にある程度のニュージーランドドルは持っておいたほうが良さそうです。

 

旅の予算

国際線は往復10万〜20万円程度が一般的です。なかには往復6万円という破格の航空券も見られますからよく調べてみるといいでしょう。

そのほか日常的な支出について。例えば食パン1斤100〜200円、 牛乳1L200円前後、肉も果物も野菜も日本の8割くらいと考えていいでしょう。宿泊代は、ユースホステルやバックパッカーで2000〜2500円くらい。エコノミーなホテルでは8000円くらいです。

消費材のなかには驚くほど高いものがあります。ボールペン200〜500円、アルカリ乾電池4本1000〜2000円。 物によって日本の5倍〜10倍といった思わぬ出費に泣かされることもあります。

 

お金の持ち方

現金、T/C、クレジットカードと分散して持つことをおすすめします。クレジットカードは必需品ですので予備があったほうがいいかもしれません。宿泊 、飛行機の予約など、何もかも全てにおいて、クレジットカード番号が必要です。

もちろん日本円はそのままでは使えません。最寄りの銀行で両替しますが辺境地の銀行では稀に日本円の取扱ができない銀行もあるようです。また交換手数料は銀行によって異なります。

最も有利な支払いはクレジットカードのようです。中間手数料が一切発生せず、為替レートで換算されて引き落とされるだけなので最もお得でした。

 

物価

長い間、「ニュージーランドは物価が安い」といわれていましたが、近年はそうともいえません。2007年〜2008年の1年間でニュージーランドドルは1ドル80〜100円 の範囲で日々激動しています。物価が安いといわれていたのは長く続いた1NZD=50円台の過去の時代のことです。現在のニュージーランドは国内経済の成長と海外投機筋による投資の大幅な増大によって経済基盤が磐石 となり、いっぽうで日本経済は後退したため逆転現象も見られます。

 

保険

自分はクレジットカードのオプションを利用しています。

AIUはじめ海外旅行保険は各社から多数販売されていますが、なかには年間保険料5万円、はたまた10万円という、 実体にあわない無秩序なボッタクリも見られます。よく調べましょう。

 

ガイドブックと地図

宿泊などおおまかな情報はロンリープラネットがいいようです。また、「地球の歩き方」でもいいでしょう。ただし「地球の」は物見遊山やショッピングやグルメなど やや軽薄・コスト高な傾向があります。普通のご旅行ならともかく経済的な旅行プランにはあまりおすすめしません。

地図は現地で購入することをおすすめします。

 

持ち物

一般的な縦走登山と基本的には同じです。着替えは2日分程度を用意しました。 持参のクロージングのなかで最も役立ったのはパタゴニアのハードシェルです。ウィンドブレーカー、雨具、防寒具、そして街着として。いつでもコレ1着で通しました。 兼用できることは即、軽量化に繋がります。パタゴニア「メンズ・ストレッチ・ラティチュード・ジャケット」(右)

また、航空機への持込制限のことや重量などが障害となって毎年の海外遠征で悩むのは火器ですが、今回は予備携行としてガスを用いることにしました 。ニュージーランドのキャンプ場はキッチン設備が整っていることが多いため、ガスすら活躍することはほとんどありません。環境省指定野営地(DOCキャンプ場)を使用しない限り は必要ないと思います。

乾電池は、充電式のものが良いと考えます。ニュージーランドでは乾電池が非常に高価。アルカリ単4乾電池4本パックが1500円くらい。いっぽうで充電に困ることは滅多にありません。

 

スリーピングバッグ

寒冷地用の羽毛の寝袋がいいでしょう。キャンプだけではなく一部の寝具のない安宿でも寝袋が必要です。

 

治安

オークランドの一部を除いて治安は非常に良いです。日本と同じ程度の警戒レベルで良いでしょう。ただし、ニュージーランドの社会でも時々シビアな民族問題が露呈することがあります。北島の一部などで小規模な暴動が起こることもあるようです。国内ニュース のチェックを忘れずに。

 

治安

バックパッカーやYHA(日本のユースホステル) の利用者は、むしろニュージーランド人は少数で、それ以外の海外からの旅行者が多数を占めます。つまり、このなかにはドロボウがいてもまったく不思議ではありません。 いろいろな危ない話を聞きますし、いろんな嫌な思いをしました。

手回り品には十分に気をつけて。

 

言語1 電子辞書

英語です。とにかく必要です。ところで電子辞書は軽い早い、おまけにヒマつぶしにも最適ときて何かと使えます。ところでドロボウさんにとっても魅力的なアイテムのようで「盗まれた!」という話をよく聞きました。どうかお気をつけて。

 

言語

英語に自信のない方はユースホステルに泊まるといいでしょう。比較的日本人に出会う可能性が高い傾向が見られます。いっぽうでバックパッカーに泊まると滅多に 日本人に会いません。

ところでガイドブック「地球の歩き方」で旅行する方は、「どこに行っても日本人だらけだった」と話していますが、 それは日本人観光客の大部分が「地球の歩き方」を小脇に抱えてマニュアル的に利用しているからです。みんな同じ店にいき同じ宿に泊まるのです。いっぽうロンリープラネットを使っていたボクは旅行中ほとんど日本人に会 えなくて寂しい思いをしました。

 

ニュージーランド人気質

気さくで親切な人が多いようです。シンプルで飾らない気取らない素朴な国民性です。

 

自転車

自分は自転車は日本から持参しました。国際線の荷物重量制限20kを超えてしまいますが、それでも持って行ったほうがいいと思います。買えば高いし、望みどおりのものは手に入りません。アウトドア用品も日用品も自転車も日本で買うほうが安 くて豊富です。

万一のトラブルの場合ですが、MTBの部品は現地で容易に入手できます。少々高いようですが、部品が入手できずに困るようなことは少ないでしょう。

 

宿泊

ニュージーランドでは宿泊のことを総称してアコモデーションと呼びます。観光立国のニュージーランドでは泊まるところに困ることは滅多にあることではありません。2000円程度で泊まれるバックパッカーからキッチン付のモーテル、近代的なスチューディオタイプ、高級コンドミニアムまでいつでも予算に応じたアコモデーションを選ぶことができるでしょう。

ただしクリスマス休暇〜新年の前後は別です。どこのアコモデーションも満杯になりますし、コストも普段とは比べ物にならないほど高くなることもあります。この時期だけは早めの予約が必要でしょう。

ちょっと変わった宿泊といえば、国立公園の山小屋(ハット)やDOC(環境省)キャンプ場です。ハットは事前に国立公園事務所などでの予約が必要です。日本の 山小屋のそれとは違ってベッドは完全予約制で、誰でも制限なく飛び入り押し込み宿泊ができる日本の山小屋とはわけが違うので注意が必要です。 しかしながら日本の山小屋のように中高年登山団体の厚顔無礼な圧力に押し切られてひどい目に遭うこともないのです。これは素晴らしい!ところでハットには大抵の場合、暖房用の薪や煮炊きに必要なガスコンロなども備えられています。またDOCキャンプ場は飲料水とトイレなど最低限の設備だけです。夕方になると係官がやってきてテント1張ごとに$5〜$10程度の料金が徴収されるというシステムが多いようです。

 

ドラッグ

お隣のオーストラリアと違ってマリファナなどは一般市民には広まっていないようです。違法であることは勿論のこと持込も使用も厳しく罰せられます。

 

宗教 イデオロギー

宗教やイデオロギー、戦争の話題は避けるべきです。 つい最近までニュージーランドの仮想敵国は日本であったことを忘れてはいけません。(もしかしたら現在も?)

宗教について聞かれることはあるかもしれませんが、そのときはI am Buddhist.(ブッディスト、仏教徒)と答えることをおすすめします。世界中で仏教徒とは穏やかで平和主義であるという共通認識が生きてます。

 

人種差別

露骨ではありませんが、残念ながら人種差別はあります。残念ですが白人社会なので仕方がありません。もちろん黄色人種のなかで日本人だけは特別扱いなんてこともありません。

僕らは白人と同じではありません。

 

携帯電話

ほぼ全土でボーダフォン(ソフトバンク)が使えます。国際ローミングサービス の契約が必要になると思われますので詳しくはソフトバンクにお問い合わせください。ただし日本の携帯電話をそのまま持ち込んで使用すると国際通話の莫大なコストがのしかかります。

こちらで新たに契約購入されるほうが断然お得です。パスポートを提示すれば空港や各地にあるボーダフォンのショップですぐに契約することができます。

 

日本からの予約 宿泊や交通機関

インターネットの普及のおかげで現地の宿や国内線のエアを日本から直接予約購入することができるようになりました。必ず予約票をプリントして持参しましょう。面倒な英語でのやりとりをせずに済みます。ただし大抵 は予約時にクレジットカード情報の入力が必要なため、変更したり無断キャンセルしてもしっかり代金を引き落とされます。 日本のようにズルい人が得をする社会ではないようです。

 

そのほか

まだまだ不十分です。これからも気が付いたことがあれば書き加えていきたいと思っています。詳しくは本編でより具体的に紹介していきたいと思っています。

2008年4月


ニュージーランドは自転車天国

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