ガイド日誌

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2004年9月30日(木)

紅葉が枯れていく・・・

大雪山や十勝連峰では例年より早く始まった今年の紅葉ですが、台風18号の直撃の影響でしょうか、今年はインパクトに欠けたままシーズンが終わろうとしています。早くに紅葉した赤い木の葉は台風による激風であらかた吹き飛ばされ、いったん紅葉はゼロに戻ってからの再スタートになったわけですが、しかしその後に染まり始めた紅葉も“染まる”というより“枯れていく”といった印象で、なんとも寂しい限りです。場所にもよるとは思いますが先入観なしに全体を例年と比較したなら、せいぜい約60%といったところでしょうか。

旭岳や十勝連峰など高山の紅葉はすでにほぼ終了。紅葉の最前線は山麓を駆け下りはじめました。これからは山麓の森が染まっていく番です。

さて、後半はどんな感じになるんでしょうか。


2004年9月28日(火)

ふるさとの風景

高校の同級生だった妻と知り合って早くも20年近くなりますが、まださほど老けたわけでもないのに最近よくふるさとの話をします。

僕らが育った瀬戸内の港町を走る電車の写真をみつけて見せてやると、あっという間に子供のころの思い出話に花が咲いてあれこれ夜が更けるのも忘れて話し込み、夜明け近くなってしまいました。

妻はこの電車に乗って学校に通ったり海水浴に出かけたり、僕はこの電車に乗って妻の家に何度も遊びに出かけました。写真をみていると参考書とノートを詰め込んだカバンをかかえた高校生のころの自分が乗っているような気がします。木の床に緑色のビロードの椅子。天井でせわしく回る扇風機。ゴロゴロと走る古い電車には、いつも油と潮風が混じりあったような香りがしていました。


2004年9月27日(月)

MTBでGo イワナ、イワナ 編

小さな釣針に、そこらへんにいる昆虫を餌にしてとりつけ、竿を渓流に振り込む。20秒もたたないうちに竿の先が吸い込まれて、その反動で清流から魚が飛び出して くる。しかし大きさは10〜13センチのお子様サイズ。これでは腹の足しにはなりません。慎重に針を外して川に返しました。

この日、1時間で釣れたのはイワナ(地方名オショロコマ)ばかり6尾。しかもお子様ばかり。オカズには程遠く、みな自然に還っていきました。残念…。

昨日の教訓から、きょうは釣竿もってGo!しかし結局坊主(釣果無しのこと)だったんだけど、久しぶりの渓流あそびがめっぽう楽しくて、空っぽの魚籠をぶらぶらさせながらも、なんだか気分よく森をあとにしました。


2004年9月26日(日)

MTBでGo 宵待沢林道 編

秋晴れの日曜日、仕事がひと段落してから車にMTBを積込んで出かけました。行き先を決めることもなく、目指すはとりあえず十勝岳方面(かなり適当)。

午後も遅いこともあり、きょうはゲートの鍵をあけて林道内に車でそのまま進みます。秋が深まった林道には午後の日差しが降り注ぎ、明るい印象です。木々の葉が散り始めたから明るいんですね。シマリスが道を横切ったりします。

オプタテシケ山を右に、トムラウシ山を正面に見据えながら車を進めます。標高800m、これ以上進めないところまでやってきました。ここからはMTBの出番、ヤッケを着込み、靴を履き替え、ギアは2-1。いよいよ出発です。

この道は廃道になって20年近くたっており、100mも進まないうちに踏み跡は掻き消されてしまいました。わずかに残る轍には湧き水が流れていて、せせらぎなのか道なのか、さっぱり見分けがつきません。低木が容赦なく顔や目を打ち、帽子を弾き飛ばします。ヘルメットを被らなかったことを後悔しました。これではとても乗れたものではありません。仕方なくMTBを押して進みます。

やがて沢に出ました。きれいな水がほとばしる小さな川です。ひとまたぎで越えられそうなくらいの小さな流れですが、ふと見るとイワナの魚影が岩陰にサッと走りました。こんな小さなせせらぎにもイワナが棲んでいるんですねぇ。彼らのしたたかさに関心しつつ、こんどは釣竿をもってこなかったことを後悔しました。イワナの塩焼を想像したら、こんどはオナカが空いてきました。

西の空にはおおきな秋の夕日がぽっかり。明日も晴れそうです。


2004年9月21日(火)

秋刀魚の季節

瀬戸内育ちの僕にとってもサンマは秋を代表する味覚でした。産地として思い浮かべるのは銚子、気仙沼、塩釜、それから釧路や根室。あと目黒、かな?

高校生のころまで北海道というのは遥か北の彼方にある夢多き大地、といった印象で、想像を膨らませては憧れたものです。そんな彼方から急送されてきたサンマは、もうそれだけで美味しく感じられたし、釧路・根室と聞くだけで何というか、催眠に陥ったような興奮状態を覚えていたような気がします。実際“北海道・根室から空輸”と書かれたサンマはデパートの鮮魚売り場(注:スーパーではない)で飛ぶように売れまくっていたのです。

七輪で焼くサンマ北海道にやってきて、あの頃の夢のサンマは日常の生活のなかにあります。これだけで幸せなことですが、驚いたことに北海道では新鮮なサンマは刺身で食されており、これが感動的に旨いということを知ることになります。サンマは七輪(炭火)で焼く、小豆島の醤油をさっとまぶし、徳島のスダチを一振り、これが世界一うまい食い方だと信じていました。それまでは。

噂に聞くとおり、ほんとうに新鮮なサンマは刺身でいけるんですね。甘くて、やわらかで、生生姜との相性も抜群。 産地近隣の方にとっては「なにを今さら」なんでしょうが、僕には驚きでした。ホタテやカニやウニもいいけど、この時期しか味わえないサンマの刺身は格別です。

きょう、回転寿司に出かけました。お目当ては新鮮な旬の魚のお寿司。もちろん秋刀魚の握り寿司も賑やかに回っており、ひときわ人気を集めていました。僕もサンマの握りだけで5皿食べました。つい、思わず、手が出てしまいます。

秋、旬の時期は短いけれど、これもささやかな贅沢といったところですね。


2004年9月20日(祝)

JR富良野線に蒸気機関車

「遅いなあ」。ちょっとイライラしながら遮断機が上がるのを待っていました。列車がやってくる方向を眺めると真っ黒な煙が立ち上っており何やらただならぬ雰囲気。いそいでデジカメを取り出すと、案の定やってきたのはSLです。いやぁ、間近で見るとカッコイイ!すごい重厚感と存在感、物凄い地響きを震わせながらすぐ目の前を通過していきました。

この連休の間に1日1往復だけ富良野線を走った蒸気機関車です。石炭の煙の香りと発車するときの「ポゥーッ!」という汽笛の音、とても印象的でした。  美馬牛小学校近くの踏み切にて


2004年9月18日(土)

MTBでGO  きのこの山 編

ここ数日繰り返しているマウンテンバイクのツアープログラムのコース下見。しかし、いま野山は実りでいっぱい。下見のはずなんだけど…。

きょうも出かけた十勝岳800m付近。でも、このあたりは一歩森に入るとキノコがいっぱいで気が散って仕方がありません。MTBのはずなんだけど…。

ということで右は今夜の味噌汁の具です。シメジの仲間なんですが茎が薄紫色をしていて食べるにはちょっと勇気が必要。かな?

シャキシャキした歯ごたえ、つるりとした食感、なかなか美味なキノコでした。そして、いまのところ体調にこれといった変化もなく、とりあえず無事なようです。


2004年9月17日(金)

バイクでGO 粒粒コーン 編

いざ、ガソリンを満タンにして十勝岳へ。早朝の冷え込みの名残にヘルメットのシールドが曇ります。

きょうこそ十勝岳から上富良野・美瑛へと下る林道を1本に繋ごうと意気込んだものの、相変わらず台風のつめ跡、倒木に行く手を阻まれてしまいます。おまけに、またしてもクマさんの新鮮なウンコが転がっており(右)。いやぁ、トウキビ食ってます。ウンコが粒粒コーンじゃないですか。

畑も森も実りの季節ですね。見晴のいい高台でバナナの昼食をとり、デザートには到るところにぶら下がっている山ブドウを少々。でも、走り始めてたちまちバイクを引っくり返したり、泥に足をとられたり、エンジンがオーバーヒートしたり。1日じゅう森のなかを右往左往、何が何だか大変な1日でした。


2004年9月16日(木)

バイクでGO 逃げろ逃げろ 編

きょうも午後から林道に出かけました。きょうの林道は石狩川水系美瑛川に合流する支流のさらに支流の、そのまた源流部を登りつめる道です。あたりは広葉樹の鬱蒼とした原生林になっていました。

標高500m付近で何かのウンコを踏んづけてしまいました。あれ?と思ってよく見てみたら、どうやらこれは4、5日前のヒグマの糞らしい。粉砕してしまったけれど、ドンブリ1杯くらいの量だったようです。   踏んづけて粉砕してしまった糞 上はタイヤ

林道は標高600mあたりで原生森のなかに消えていました。しばらく背丈ほどの草を掻き分けて進みましたが、またしても先日の台風による倒木でわずかな細道が塞がれていて、やむなく引き返すことに。車体を持ち上げて方向を変えるために、いったんオフロードバイクのエンジンを切ります。静寂。そのときふと考えました。 午後5時を過ぎ、刻々と迫る野生の時間。いま、この藪のなかからデカイのが襲いかかってきたらどうしよう・・・ ガオー

急に怖くなった僕はしっぽ巻いて退散。きょうも完敗です。


2004年9月15日(水)

MTBでGO  午前の部

冷たい雨が2日間も続きましたが今朝は抜けるような青空。十勝岳の噴煙もどこか誇らしげです。

こんな雨あがりの十勝岳山麓の林道は砂利が引き締まっていて、砂埃もなく、タイヤの食いつきも良好で、ほのかなハイマツの香りが漂うなか快適な走りを堪能できるんです。

三段山や富良野岳の沢筋が錦に染まっていました。紅葉も徐々に山を降りつつあるようです。      泥流火砕流跡地の林道 標高800m付近

来週末にはこのあたりも黄葉に包まれることでしょう。

それにしてもきょうは突然、お客さんの人波が押し寄せて…!!。電話は鳴る鳴る、メシも食えない。9月の平日だというのに、いったいなぜ?

もちろん嬉しいです。みなさん、遊びにきてくれてありがとう。

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MTBでGO? 午後の部

「マウンテンバイク貸してください」。きょう、レンタサイクルが一時品薄になったとき一人の綺麗な女性客が店を訪れました。

僕「あ、ちょっと待ってください。…在庫を確認して… いや・・・これは申し訳ありません。いまマウンテンバイクが品切れになってます。普通の自転車と電動自転車でしたらございます。…あの、よろしければ…」ここまで言い終わらないうちに女性は険しい顔で僕の言葉を遮り、ぴしゃりと言い放ちました。

「それじゃ歩いたほうがマシです」 。が〜ん・・・。

僕「あ、申し訳ありませ・・・」 しかし無視してさっさと出て行く綺麗な女性、背中には不機嫌の三文字。悲しく見送る僕は30秒KO負け。まさに“瞬殺”。

途中で遮られてしまった言葉のつづきは、

「…あの、よろしければ、電動自転車をマウンテンバイク料金でご用意いたしますけれど、いかがですか?」 

ちゃんと聞いてくれていたら、きっと機嫌を直してもらえたと思うんです。千円もお得なんですよ…。 かえって喜んでもらえたと思うんです…。折角きてくれたんだから、やっぱり喜んでもらいたいじゃないですか。でも、不機嫌の背中に向かって言葉のつづきは言えなかったです、はい。

綺麗な女性にはやっぱりトゲがある?美人にはめっぽう弱い僕でした。


2004年9月14日(火)

カントリーライフの冬支度はじまる 

朝晩がめっきり冷え込んできました。紅葉も進んでいます。道端にも真っ赤に染まった山葡萄の葉が目立つようになりました。

朝から冷たい雨の降る1日、暇なので片道30キロ車を走らせて買い物に出かけました。そろそろ冬支度の道具が気になる季節、旭川市内のホームセンターの売り場もストーブや防寒具などが中心になっています。僕も雪の季節をまえにウッドデッキや丸太に塗る防腐塗料や、屋根に登ったり山葡萄採りに活躍する7メートルもある梯子(なんと2万円!)、季節の変わり目に交換する車やオートバイのオイル、吹雪で動けなくなった車を牽引したり、引いてもらったりするときに必要なワイヤーロープ、暖炉の煙突のための耐熱塗料、などを買い求めました。

夕方には早速オフロードバイクのエンジンオイルを交換しました。明日からは暇を見つけては屋外のペンキ塗りなどを始めます。そろそろ暖房機械の試運転や暖炉の火入れもしなくてはいけません。きょう、この秋はじめて小型ストーブを使いました。灯油が燃える匂いがどこか懐かしく思いました。

いまは夕方の6時半、気温は10℃。秋の夕日はつるべ落としといいますが、外はすでに真っ暗になっています。


2004年9月13日(月)

バイクでGO 森のなかの民家 編

美瑛と上富良野に広がる山麓の森は思いのほか広く、また森のなかには幾つもの林道が交錯と分岐を繰り返してまるで網の目のようです。ときどき、どこを走っているのかわからなくなります。

森のなかで1軒の開拓農家に出会いました。萱葺き屋根、老朽するも決して貧困を感じない、どっしりとした構え。築何十年でしょう。飲み水は裏山から引いており、前庭には冷たい水が絶え間なく流れ落ちる古いドラム缶を利用した水槽がありました。

別棟には釜炊きのお風呂まであります。

いまも人が住んでいるのかどうかはわかりませんが、家のまえの畑はよく耕されており、太く実ったトウキビが日の光を浴びながら風に揺られていました。

何十年も風雪にさらされ、なおも崩れることを拒みつづける土壁、歴史を刻んだ太い柱、消えることのない濃厚な生活の痕跡。現実の「北の国から」の舞台は、ドラマとは比べものにならないくらい壮絶かつ美しいものなのだと、この家から感じずにはいられません。この家が刻んだであろう歴史を考えると、僕の生活など軽薄な偽モノなのだと思い知らされます。


2004年9月12日(日)

秋のシアワセ 

え〜、こんなものが生えていました。

 

 

 

 

十勝岳山麓 森の恵み 


2004年9月11日(土)

バイクでGO ここはどこ? 編

夕方近くなってから近くの林道を走りに出かけました。美瑛の丘を駆けぬけ、うまくいけばいくつかの沢筋と大小の峰を縫うように越えて十勝岳のすぐ麓まで登って行ける・・・はずでした。

バイクは延々と鬱蒼とした森のなかを走り続けます。すぐ脇を流れるせせらぎ、炭焼き小屋、廃屋ばかりの集落。あたりはどんどん薄暗くなり徐々に心細くなってきます。ヒグマに出くわしたらどうしよう・・・  いくつも林道ゲートを通過 暗闇迫る

ふと見ると前方には道を塞ぐトドマツの大木。ああぁぁ・・・万事休す。どうにも前には進めなくなってしまいました。でも、いったいここはどこ?

ようやく舗装道路に出たときはホッとしました。それにしても、きょうは完敗。まだまだ知らないところがいっぱいあるゾ。そう思い知らされた夕方でした。


2004年9月10日(金)

下町の美食 旭川

テレマークスキー仲間と旭川の下町に飲みに出かけました。旭川の下町グルメといえば、なんといってもホルモン焼や焼肉。のれん揺れる路地や薄暗い地下飲食街に入ると、あちこちから肉の焼ける香ばしい香りと焼酎の匂いが漂ってきます。大阪出身の友人がふと、ボソッとつぶやきました。

梅田みたいやな」 なるほど。

※梅田 JR大阪駅周辺のこと ここでは高架下など下町横町の飲み屋街を指す

煙の匂いが染み付いたのれんをくぐると狭いカウンターがありサラリーマン風の男性がひとりホルモンをつつきながら酒を飲んでいます。僕らは脇をすり抜けて奥に進み、七輪が載った小さな古ぼけたテーブルを囲みました。塩ホルモン、腹袋、サガリ、1人前550円。ジンギスカン、牛タンは600円。

七輪でじゅうじゅう焼いて食べるアツアツのホルモン焼。炭火の焦げる煙が男たちの笑顔を包み込む北の下町の美食。こんなお店は決してガイドブックには載らないけど、しみじみといいものですね。駅前ビル地下「はるちゃん」


2004年9月9日(木)

台風去ってエゾリスの憂鬱

存分に猛威を振るった台風18号が去り、きょうは朝から後片付けに追われました。家のまえのポプラは半分がへし折られ、看板は土台ごとひっくり返ってしまいました。やれやれ…。

おまけに敷地内に自生する胡桃の木が大部分倒壊してしまいました。庭は造成以前の植生を残しているので湿地性の原野の状態がほぼ保たれています。右の胡桃の木はこの周辺に棲むエゾリスの貴重な越冬食料の宝庫でした。10月になると枝を走り回るエゾリスたちの運動会が見られました。

枝だけでなく幹がばっさり折れて秋の空が広がっています。昨日までここには枝葉が生い茂り、そろそろ実りを迎えるはずの胡桃 (クルミ)の実がたわわにぶらさがっていました。いま地面には胡桃の若い実がところ狭しと転がって足の踏み場もないほどです。なんといっても今年は豊作でしたから。

エゾリスたちは帰ってくるでしょうか。ちょっと心配なのです…。


2004年9月8日(水)

バイクでGO けもの道 編

林道は人間だけでなく、周辺に住む動物にも利用されています。また、“けもの道”が林道を横断していたり交わっているのを見かけることもあります。

右はそんな“けもの道”のひとつです。一見すると人間の踏み跡のようですが、よく見てみると鹿の蹄の跡がはっきり見られるため容易に見分けがつきます。


2004年9月7日(火)

バイクでGO 美瑛のトムラウシ登山口 編

さいきん開通した新しいトムラウシ登山口はまだ地図には載っていません。登山口の目印もほら、右のような石がひとつだけ。周辺は廃道になった林道や作業道が多いので、この登山口はなかなか見つけられないかもしれません。

石に書かれている「扇沼」とは山中にある湖の別称で、一般には「硫黄沼」と呼ばれています。深く濃い緑の湖水を湛えた原始の湖はトムラウシやオプタテシケからよく見えます。

この周辺ではバブルのころ大規模なリゾート開発が進行していました。もしそのまま実行されていたら、今ごろ大雪山の最深核心部であるトムラウシ山の脇を観光道路が走り、 ナキウサギは激減し、幻の秘湖「硫黄沼」の湖畔には、「美瑛プリンスホテル」が建設されたかもしれません。なんだかゾッとします。

実はこの登山道、リゾート開発と決して無縁ではないのです。もともと建設地調査のために開かれた道なのだそうです。つまりバブルの遺産と言えますね。

歩きはじめて1時間少しで稜線へ、途中からは旧トムラウシ登山道美瑛川コースに合流して登山口から3時間ほどで三山台・黄金ケ原に達します。「神々の遊ぶ庭」にかけられた1本の天空の道です。さらにトムラウシまで 登山口から片道10キロ、高低差は約1千m。健脚な人ならば日帰りも決して無理ではない距離ですね。

いまのところ、利用するには営林署(林野庁森林管理署)に届け出て許可を得て、林道の鍵を預からなければなりません。閉じられた林道ゲート2箇所を経て何キロもデコボコ道を走り続けた末にようやく辿りつくことができる登山口なのです。

トムラウシ登山口 美瑛町


2004年9月6日(月)

バイクでGO 森のおばけ 編 

午後からオフロードバイクで林道を走ってきました。いや気持ちいいのなんのって。

かつて三山台へと続いていた旧トムラウシ登山道(S62年に廃道)のあたりを走っていたときのこと。うわ、巨木のうえに化け物を発見!

体は1メートル弱の大きな鳥、一見すると鷹のようです。そして顔はまるで蒼白な人間。おまけにでっかい目玉がギョロリ。さて、正体は?

正解は、フクロウでした。あわててカメラを取り出そうとしたら向こうも急に慌てだしてしまい、大きく羽ばたいたと思ったら、そのまま密林の奥へと消えていきました。う〜ん残念。

生のフクロウは決してかわいいもんじゃないです。どっちかというと、不気味だなあ。夜中にはあまり会いたくないかもしれないです…。だってあの顔はこわいですよ…。無表情だし、でかい目玉はビー玉みたいに光っているし…。


2004年9月6日(月)

紅葉の季節

大雪山に続いて十勝連峰でも紅葉が始まりました。

先週、山頂周辺から始まった紅葉は徐々に山肌を染めつつあります。いまはいくつかの沢筋を彩っている程度ですが、これから益々紅色が鮮やかになってくることでしょう。例年の紅葉のピークは9月20日前後ですが、今年はもっと早そうです。


2004年9月5日(日)

熊の困惑

さいきんよく目につくようになった右のような看板。なんだかタダゴトではない雰囲気。ひとりで美瑛の丘をサイクリングをしていてこんな看板に出会ったら、きっと泣きたくな りますね。

でも、熊も気の毒なんです。おいしい果物や木の実をさがして野山を散歩しているだけなのに、なぜ鉄砲もった人間に追いかけられなきゃいけないのか。

ヒグマは無差別に人間を襲う猛獣というイメージが定着していますが、実際には決してそんなことはありません。それは間違ったイメージです。この看板も注意を喚起しているというよりは、恐怖を煽っているような気 もします。有名な北海道土産にもゾンビのような表情で牙を剥き出して威嚇するグリズリーの姿をデザインした「熊出没中」というステッカーがありますが、 悪いイメージを植えつけられてこれじゃクマが可哀そう。まあ面白半分といったところですね。

ところで、このあたりでは今のところ熊は「見つけ次第、射殺」ということになっています。こればっかりは僕はどうしても賛成できない。あまりに乱暴すぎませんか?人間ってやっぱり恐ろしい動物ですね。

見つけ次第射殺なんて、狂ってるとしか思えない。これじゃテロリストを責めることなんか出来るわけない、なんて思ってしまいます。

ま、それはそうと、やっぱり山のなかでばったり出会ってしまったら、もちろん生きた心地はしませんが…。ガオー…。


2004年9月3日(金)

ハエたたきの極意

みなさん、ハエを退治するときはどうしてますか?殺虫剤で狙い撃ち。掃除機て吸い取り。市販のハエ叩きや丸めた新聞でパン!天井から吊るしたベトベトのハエ捕り紙。 スリッパで叩き落す強者もいるといいます。そのほかにもいろいろありそうですね。

北海道農村暮らしでは決して無縁でいられないハエ叩き。もし、ハエたたきに全国大会があったなら、北海道勢は常に上位でいられるでしょう。そう、お家芸はウィンタースポーツだけではないんですよ。

僕のハエたたきの極意は、何よりも“気配”を消すことです。獲物であるハエの姿を発見したなら、全神経を集中してまず“殺気”を消します。メラメラと燃え上がりみなぎる闘志を消すのです。これは容易なことではありません。

そして、ハエの後方斜め60度くらいの角度から真上を目指してハエ叩きをゆっくり進入させます。このとき決して素早く動かしてはいけません。殺気に気付かれてしまいますから。「え?全然。じぇ〜んじぇん関心ないもんね」というカンジで近づくのです。わかります?ときには無関心を装って口笛なんか吹いてみたりします。(しないしない)

そして、獲物の一瞬の隙を突いてハエ叩きを一気に振り下ろします。ここは素早く。でも、決して力んではいけません。スッという感じで振り下ろすのです。風のように。僕は元・少年剣道団なので、えええ、なんというか、これは試合のときの正面からの篭手こて打ちの間合いと攻撃のタイミングだと思うんですよね。わかります?振り下ろしながら「こてぇーっ!」攻撃技の掛け声なんて声を出してみるとうまくいきます。(しないしない)

たった今も、パソコンのキーボード周辺で遊んでいたハエの撃退に成功しました。いつものように気配を消して近づき、素早くパシ!実は咄嗟のことだったんで、素手のままでやっちゃったんですよね。でも結果は見事、撃墜です。少年剣道が思わぬところで役に立っています。こんどは「コテメン」の連続攻撃で2匹同時退治に挑戦してみようか。

いや、その前にまず手を洗わなければ。


2004年9月1日(水)

そわそわ、冬のこと

毎年、お盆を過ぎるころから僕の頭のなかは冬のことでいっぱいになります。早朝の空気がキュンと引き締まり秋の気配が漂うころになるとなんだか落ち着かなくなってきます。遠足まえの子供みたいですね。

昨年は冬対策にと盆明けから自主トレを始めました。仕事の合間にマウンテンバイクで標高1千mの吹上温泉を往復、週に何回か の息抜きを兼ねた運動です。景色はきれい、いい空気にいい汗、じつに気分爽快。また自転車による登坂は深雪を踏みわけて進む「ラッセル」で使う筋肉と似ていてトレーニングに最適です。2週間 もたつと鈍っていた体が勘を取り戻してきたような気がしました。また太腿はギュッと引き締まってきました。9月に入るとそのままの勢いで一気に道東・知床方面へ自転車旅行に出かけました。まあ遅い夏休みといったところです。

さて、今年も9月、そわそわの季節です。今年は旅行には行けないけれど、やっぱり頭のなかは冬のことでいっぱいです。まず冬のツアープログラムを作りました。(Winter2005

HPの更新作業は面倒なものですが、冬のツアープログラムは例外。ええ、とっても楽しい!ときに真剣に、ときにアソビ気分でプランを練りながら僕の頭のなかは楽し かった昨冬のツアーを思い出してグルグル回ります。そんなときの顔はフニャフニャ、目はうつろ。鼻の下伸びっぱなし。これではとても仕事とは言えません。これだからこの仕事はやめられない、な〜んて思いながら毎年この時期には冬のプラン作りを楽しんでいます。

冬季は決して飽きるということがありません。現在の北海道には公の資格をもつ「公認山岳ガイド」と呼ばれる人が100人以上います。公認資格を持たない人も含めるとおそらく五百人近い人がこの仕事で幾らかの収入を得ていると考えられます。しかし、そのなかの9割以上、ほとんどの方は冬には活動していないのではないでしょうか。惜しい…なんと勿体無い…そう思いませんか?体が2つあったなら、あそこでも、あそこでもガイドツアーをしたいと思ってしまうのです。仕事であることを差し引いても北海道の冬はとても楽しい。あそこにも行きたい、あそこでも滑りたい、なんてあれこれ目移りしているうちに北海道の冬はあっという間に終わってしまうわけなんですけどね。

さて、15年前に買った僕のマウンテンバイクの修理がようやく終わりました。老朽してペダルはガタガタ、歯はボロボロにこぼれてミジメなものです。もちろんスタイルもまるっきりの旧型で格好悪いんだけど、しかしどうしても引退させる気にはなりません。そしていよいよ今年もこの相棒 と一緒に冬に向けて楽しいトレーニングを始めるのです。大雪山につづいて十勝連峰でもまもなく紅葉がはじまります。楽しみだなあ!相棒!いよいよ冬が近づいてきたぜ!


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